新食魂島

王様は裸です、と叫びたい夜。

YOASOBIの歌詞の良さがわからない、と思うたび

私は、少なくとも通常の人間はお説教が大嫌いだと思っている。

それがどれだけ相手が正しくとも、自らが受け取る態勢をとらない限り、その言葉は空虚で、無意味だと思う。

 

少し前にサイレントマジョリティーなる曲があった。

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初めて聞いたのは姉がながしっぱにしていた紅白のテレビであったが、

私の感想はというと

 

・お経の方が聞いて楽しい、坊主の100人ハモリのほうがエキサイティング

・ダンス?マスゲームのほうがいいよ。

・何言ってるかわかんない

・字幕みても「そうだね」としかならない

 

そもそも女性アイドルというものは、保田圭くらいで止まってる私には本当に縁遠い

ものではあるし、単純に推すならももクロのほうがいい、坂道系はクソ!と思っているレベルではあるのだが。

それにしてもこの曲はひどく理解に苦しむ。

断っておくが歌詞が理解できないのでなく、面白みが理解できないのである。

正直歌詞は10代くらいの若者が抱えがちな、出る杭を打って均質な製品として自分たちを変えようとしてくる汚い大人に支配されずに、自由意思を示すんだ、的な事を言っていて、ああまあ10代くらいの子は好きだよねこういうの、とは思う。

この歌詞を60過ぎたじいさんが書いてるんだからみずみずしい感性と言えるだろう。正直ちょっとキモいけど。

では私の言う面白みとは何なのだろうか。

それは、「歌詞の解釈の余地」と、「表現の美しさの鑑賞」である。

 

汚い大人たちに縛られるな?はい、そうですね。えそれで終わりですか?

例えば、自分たちを無個性化させようとする大人を、大量生産品を作る工場に例えるとか、汚泥から足を掴むとか、そういうね?

 

大衆の歌というのはそういうものだ、とは理解してる。だとしても、泳げたい焼きくんの歌詞がエモいという人間はいないように、これもそういうものだというのが私の認識だ。

しかし市井に目を向けると

「いえー!めっちゃ!エモでー!」

などという若い者がかなり多い。

 

例えば味覚においてもそうだが、複雑である概念に関して、複雑な形のまま理解できるのは一部の人間に限られる。

ラーメン二郎、ここ数年はコロナの影響で上京できなかったため食べてないが、私は結構好きな口である。だがこのラーメン二郎が世界一ウマイ食い物だとは思ってないのだ。なんせ単調だ。熱い!脂っこい!しょっぱい!だからうまい!バカでもわかるレトリックだ。

かと言ってラーメン二郎を豚の餌と罵るつもりも毛頭ない。単純には単純の良さがあるし、そもそもラーメンスープは作る上では複雑な概念だ。

どんなラーメンがサイレントマジョリティーかと考えると、ステーキラーメンなんかでいいんじゃないだろうか。かわいい女の子という味の大半以上を占めるステーキにそこそこのラーメン。そんなところだろう。

 

よくこういう人を見かけるだろう。

「バカにわかるように説明できない人は頭がよくない」と。

これは全くのバカ考えで、頭のいい人が、自分がある概念に対して理解をもった手順を説明しても、頭の悪い人がその概念の理解に必要な前提情報を知らなかったり、知っていても・・・例をもって説明しよう

 

頭のいい人Aさんと悪い人B、Cさんがいて

A「〇〇という情報と、△△という情報を、(私の知っているいろいろな前提情報を)もとにして考えると**という結論になります」

 

B「〇〇という情報で**に?なんで?」(△△という情報を説明されても理解できない)

 

C「〇〇という情報と△△で**に?なんで?」(**に至る論理思考ができない)

 

こうである。A→Bに説明すると、△△ってなに?→□□って?→じゃあそういえばいいじゃんと逆切れされ

A→Cだと、Aは見ればわかるじゃんとしか言えなくなるか、**という結論に至るための色々な情報を出していくうちに、最初っからそれも提示しろよとやはり逆切れされるのだ。

 

頭の悪い人にありがちな発想に他責思考というのがあるがまんまそれであろう。

そしてそういった頭の悪い人は、単純なものでないと理解できないのである。

まともな人が一目見てわかるマルチのような商法があったとして、それはそういった操りやすい人を選別するために「年〇〇万円稼げます!」「ネットワークビジネスで上級階級へ!」みたいなバカげた売り文句をするわけだ。これが「〇〇をしてこれこれで・・・」とやってもバカにはわからないので誠実に説明するだけ無駄である。なんかすごいと思わせるハッタリならありだろうが。

 

さてようやく本題のYOASOBIである。

もうここまでの過程で分かると思うが、こいつらの曲はともかく歌詞はファックだと思っている。ついでにいえば曲も全然好みじゃないが好みの問題なのでおいておく、いや歌詞だってそうだろといいたい人もいるだろうが、こんなのが日本人に響いていますなんていうのは、衆愚の骨頂としか言いようがない。少なくともすごいすごいともてはやすべきではない

こいつらの歌の歌詞は、歌詞というのもおこがましい。表現の美しさはどこにもなく、ありきたりな表現で、ありきたりな事実を羅列しているだけだ。

よく〇〇の歌の歌詞の意味は!?という解釈大好きマンが、カート・コバーンが1万人自殺するレベルでいるが、こんな解釈もクソもない歌詞にできることは事実の確認である。曲を聞いていれば「ウンソウダネ」以外の言葉が出てこない。

カート・コバーンがYOASOBIの歌詞を書いたならば、本人が自殺するまでもなく「カートはこんな歌詞書かない」とのたまう過激派ファンに射殺されているだろう。

YOASOBIの作曲はボカロあがりだが、いわゆる流行のボカロ曲(残念ながら私の知識は千年桜とかいうksダサ曲で止まっている)の作りそのまんまなので、私の好みでないというか、ボカロ曲のダサさをそのまま反映しているといえる。

 

ああそうさはっきり言ってやる、YOASOBIはクソダサだ。

そう何度自分に言い聞かせても、世間は素晴らしい素晴らしいという。

だからおかしいのはきっと自分なんだ。

いままでだってそうだった。

皆はワンピースが面白いっていうんだ。でも俺は思うんだ、初めて買ったジャンプでワンピは1度だけ読んだけどストーンオーシャンは10回は読んだしストーンオーシャンの方が面白いって。

ORANGE RANGE もいいっていうんだ、どこがいいんだろう、こんな軽薄な言葉。

やっぱりおかしいのは俺なんだよ。

CLANNADだってみんないいっていうんだ。俺はあんな主人公嫌いだね不幸のままでいてほしいよ。

そうして気づいたら周りに誰もいねえんだ。ハハワロス

 

唾吐いてみんなが大好きなもの好きになれなかった

歌の中ではかわいそうかい?tって言って反語的におれはかわいそうじゃないって言ってるけど、俺は自分がかわいそうだよ。