とはいってみたものの、正直絞り込める気がしないのでやめた。
楽しい気分になりたいとき、悲しい気分に浸りたいとき、懐かしい気分を感じたいとき、様々なシチュエーションが自分に発生する割合、そこで感じ入るものが変わってしまう。
私は基本的にポジティブな気持ちになりたい傾向が強いので、アップテンポな曲をこのみ、また車の中でジャイアンリサイタルを開くので、歌ってて楽しい曲というのもある。
そも、アルバムに収録された曲というのは、アルバム全体で一つのストーリーを描くものだ。
料理で言えばアペリティフに始まり、オードブル、スープ、メイン、デザートのような一連の流れを描くということだ。
アペリティフ、オードブル、これはアルバムの1曲目、2曲目に相当し、「このアルバムはこういう感じのアルバムです」と示すものだ。
早い話、はじめましてのご挨拶だ。
「フェイクファー」ならエトランゼでしっとりと入り、センチメンタルでパンチのある音を入れ引き締めてくる。
「醒めない」なら醒めないで30周年にあたりましてのご挨拶をし、みなとでシングル曲のご紹介だ。
そしてメインディッシュの1曲、ここにはあまり言及しない方がいいだろう。人それぞれのメインがあってしかるべきだし。
私はアルバムなら「フェイクファー」が一番好きなのでこのアルバムで説明する。
このアルバムのピークに謝々を持ってくる、つまりメインディッシュに据えるとすると、
ウィリーでお腹いっぱいになり、スカーレットがデザート、フェイクファーでお別れの一杯という構成になる。
とはいえメインディッシュの持っていきかたは気分次第なので、スカーレットまでメインを引っ張る、いやフェイクファーまでメインだデザートなんざいらねえんだよ!ということになっても全然かまわない。
食べ物で例えておいてなんだが、これは音楽なので最後までメインディッシュを引っ張っても誰も文句は言わないだろう。そしてそういった心情の変化は、自分自身の心情の変化だ。アルバムのストーリーの描き方は人それぞれ、そして気分次第だ。
とはいえ、それでもチェリーだけは違和感がなぁ・・・
では1曲1曲でつまみ聞きをするというのはどういうことかというと、コース料理ではなくアラカルトを頼むということだろう。それはそれでいいのだろうが、個人的にはあまりしたくない行為だ。
つまり、私という人間は、私が選ぶスピッツ10選!!!ということができず、●●な時に聞きたいアルバム、という紹介にならざるを得ない。
ここまで1000文字程度なのだが、これを伝えたいがために1000文字を費やさせてもらった。
というわけで、私が選ぶ気分ごとで聞くスピッツのアルバム紹介だ。
①スピッツ
デビューアルバム。
マサムネボイスが若くてちょっと荒々しい、インディーズ時代のパンクっぽさが残った歌い方が特徴的だ。そして楽曲も結構荒々しい。
一般的なスピッツのイメージとは違ったテイストが面白い。
夏の魔物 という曲はサビが、「会いたかった」連呼で終わる。秋本の野郎パクリやがったな(風評被害)。
全体的にヒャッハー!というか不思議な気持ち・・・なんとも形容しがたい、とにかく不思議なんだ、マサムネワールドが一番強いともいえる、そういった主張の強さを感じたいならこれだろう。
②名前をつけてやる
・・・引き延ばしたんじゃなくって元からこういうジャケットです。あの藤井聡太二冠がスピッツのベストアルバムと推すのがこのアルバムだ。・・・渋い。そのことを発言した卓球の張本智和との対談のしゃべり口調が完全に面倒なタイプのスピッツオタクだった、うれしい。
このアルバムにサブタイトルをつけるなら「ひと夏の思い出」だろうか、スピッツのアルバムの中でも突出したかわいらしい曲たちと、夏を意識させるタイトル。
二冠一押しの魔女旅に出るはアルバムのトリを飾る。
ちなみにこのアルバムの発売は11月である、誰だ夏を感じるといったやつは。
③惑星のかけら
オーロラになれなかった人のためには飛ばしました。
惑星と書いてホシと読みます。
なんていうんですかね、ぐにゃぐにゃした曲が多いです。
だからこそアパートや日なたの窓に憧れてのまっすぐさを強く感じ取れます。
日なたの窓に憧れてはシングル曲ですが、すごくオーロラになれなかった人のためにの影響を感じます。
続き。