新食魂島

王様は裸です、と叫びたい夜。

自分なりのお酒哲学

お酒、皆さんはお好きだろうか。

日本では焼酎、ビールが一番ポピュラーで、おめでたい時には日本酒、ちょっとお高い気分ならワイン、ウイスキーはマニアックな人が、あとはいろいろあるがおそらくはウイスキーよりマニアックな雰囲気がする。

ムスリムヒンドゥー教、では飲酒は悪徳とされているし(一応仏教系も禁止しているが)、かと思えばキリスト教の大部分で赤ワインはキリストの血と見立てそれを飲んだり神道のようにガンガン飲む宗教もある。

こういった宗教に基づくお酒文化の発展もまた興味深いものであるし、ジンのように大航海時代における保存のきく水分としての役割として発展したものもこれまた面白い。

最近私はジンを愛飲している、といってもまだビーフイーターとギブレーだけだが・・・

このジンというのは大航海時代においてイギリス人がよく飲んでいたものらしい。ジンは大麦やジャガイモなどのでんぷんを発酵させてできたアルコール分を蒸留によりアルコールだけを取り出すいわゆるスピリッツといわれるお酒でこの蒸留の際にボタニカルと呼ばれる植物成分を一緒に抽出し、独特の苦みを生み出している。

 

正直ストレートで飲むには度数の高さもさることながらその苦みがなかなかに強烈なので酒の強さに自信のあるニキだけに試してもらいたいと思う。

 

お酒というのは基本的には劣化のしにくいものでジンもその目的にそぐうよう作られている。しかし人間というのは生野菜のようなものをとらないとビタミン不足に陥り、当時は壊血病の問題があったそうだ。そこでイギリス人の医師がジンとライムをあわせて取るようにしたところ、ギムレットというカクテルが生まれるとともに、イギリス人の蔑称であるライミ―というものまで生み出してしまった。

 

日本においては酒蔵というのは信頼の象徴のようなものであり、酒蔵の家から総理大臣という近代の日本史を担う人材を生み出している。

 

とはいえ近年の日本では、ビール、というか第三のビール発泡酒がでかい顔をして、あとは焼酎・・・なのだが、やはりこれも焼酎自体がーというわけでもなくチューハイとしての消費が主だと思うので、近年の日本では、第三のビール、チューハイがメインだということにしよう、その二つが大部分を占めていて、なんとも味より酔えればいいというかそんな情けない風潮が時流を占めているように思える。

そしてなにか個人的な小さなお祝い事でもあればワインがでてくる程度なのがなんとも悲しい。

このワインについてはまた面白なものがあって、村上春樹のファン、いわゆるハルキストと言われる人種というのが存在して、毎年のように村上春樹ノーベル賞を受賞するのでは!?と騒ぎ立てるものである。私個人としては村上春樹のあのなにかかっこつけたような自己陶酔してそうなキャラたちが苦手で村上春樹作品は敬遠しているのだが(村上春樹氏本人にはとても興味がある)、ハルキストと言われる人たちはそういった世界観が大好きなもんだからその行動さえまねようとするのだ。

ニュースの特集でノーベル賞発表の時期、ハルキスト達が村上春樹のキャラが好きそうなオシャレなレストランに集い村上春樹ノーベル賞受賞の瞬間を見ようとしていたところを映していたのだが、私はこう思った。

「どうせワインじゃなくてシャンペンなんだろ」と。

その通りであった。それをみた私は「ああハルキストらしいな」と思わざるを得ないのであった。

とにかく、日本人の酒文化というのは非常に底が浅いと言わざるを得ない。

口を開けばやっすいビールのまがい物で俺は酒の味を知っているぜアピールはするし、くそみてえなチューハイでのん兵衛気どりをする。

チューハイ、ここでは一般的なお店で購入できる缶チューハイに限るとして、彼らの言うおいしい、というのは果汁であったり甘いドリンクであったり、そういううまみの要素がそちらによりがちな、ぶっちゃけ焼酎の味なんてどうでもいいといった類のものばかりを好んでいるのだ。いいお店でいい焼酎、いい果物を選ぶのならそれは美味しいのができるのだろうけど。

男梅サワ―^^とか言いながらツイッターに写真を上げてる間抜けを見るとキレそうになる。だからそれは梅の成分の方がうまみのほとんどでしょ、と。

実際以前のブログでも行ったがストロング系のチューハイをのんできた、檸檬堂なども飲んでみた。

その結果、酒に自信がある私でもひどい悪酔いをさせられた。使われてる酒がろくなものではないのだろう、それをジュースのように甘いもので無理やり口の中にぶち込めるようにしているシロモノ。それこそが缶チューハイの正体だ。

私は、おいしいお酒が飲みたいのだ。間違っても甘いジュースお酒風味なんてシロモノがのみたいわけではないのだ。

 

この正月、毎年馬刺しをおせちのテーブルに乗せてもらっているのだが、ブリとあわせて日本酒が進んでしょうがない。

生の肉の癖の強さを日本酒がさらっと流し味を引き立ててくれる完璧なマリアージュは私のデブを加速させてくれた。

一方で年末に椀子ヴィンヤードと生魚との相性は最悪で、美味しんぼでいくらとワインはヤバイとしっていたのだが自分で試したことはないのでしてみたところ、本当に地獄のようにクソまずかった。酒には適材適所があるのだろう。

第三のビールにだってあるのだろう、熱い熱い夏のバーベキューでならぴったりだろう、酒としてのコクがないので肉肉しい口の中をさっぱりさせてしっかり酔わせてくれるのだから。そうはおもえどせめてスーパードライを、などと望んでしまうそんな30過ぎのおっさんが一人ごちるのであった。