いつも通りだべだべな入りをしたいところだが、そんなことがどうでもよくなる、それが今の遊戯王のひどさである。
リアルカードは1年以上買ってないし、マスターデュエルもそこまでやっているわけでもないが、間違いなく言える。
ひどい。2022年産のカードはことごとく忌み子と言われているが、まさにその通りである。
カードゲームというのはリソースの奪い合いである。もちろん盤面を無視したバーンデッキや、特殊勝利デッキもあるが、基本的には相手の出したカードに対してうまい対応をしてそのカードを破壊する、そして相手に被害を与えるというのが基本的な概念だ。
そして出すカードというのは
①展開を広げるためのカード
②展開した後の相手を制圧するカード
③サーチなどの展開を助けるカード
に分類できる。
①のカードは③の助けを借り、手札やデッキ、プレイヤーに与えられた権利の回数といったリソースを消費し②に当たるカードを出したり、①と③を兼ねるカード(得てしてそういったものは出すためのコストが高い)を新たに展開する。
今回のカード分類のうち、①と③の組み合わせは基本的に相性の良い組み合わせだ。場を調えながらさらに強いカードを出すことができる。
②と③の組み合わせも強い。制圧できても相手に返される可能性がある以上、再度展開できる下準備をしておくのは重要だ。
遊戯王においては罠カードにこの傾向がみられる。カードとして場での役割を終えた後、墓地で改めて発動できる効果を仕込んであることが多々ある。
①と②は考えればすぐわかる、相性が悪い。
さてどんなに強いカードもデッキに眠ったままではただの張りぼてである。
どんなに強力な罠でも仕掛けなければ意味がないのと同じだ。
遊戯王では2つの方法でデッキのカードを有用札にする。
1つがサーチ、〇〇というカードをデッキから手札に加えるといったようなカードだ。
最近のフィールドカードはこの効果が付随されていることが多い。
カードの指定は、名称指定(〇〇と名前の付いたカード)の形で成されることが多く、自由度が高いほどコストが重くなる。
もう一つは直接墓地に落とすことである。
遊戯王においては墓地は第二の手札と言われるほどで、デッキからカードを直接場に出すカードよりも、墓地からカードを戻すカードが圧倒的に多いため、墓地にカードを肥やすという概念は非常に大切なのである。
では最近の遊戯王を鑑みてみよう。
まずはクシャトリラである。
このカードは自身を1度しかない召喚権を使わずに出すことができ、起動能力でクシャトリラという名を持つモンスターをサーチ、そして緩い条件での除外能力を持っている。
クシャトリラというデッキはこのカードの他2体のクシャトリラモンスターからデッキの動きだしが始まる。
つまりこのカードは最初に挙げた①の展開をするためのカード・・・だけじゃないんだな。
2つ目の効果で③の展開を助けるカードとなるのは火を見るより明らかである。
そして3つ目の効果で②の最終的に相手を制圧するためのカードにもなる。
つまりこのカード1枚で何でもできてしまう。そして先ほども言ったようにこれと共通の召喚条件をもつ類似カード(こいつほどはえぐくない)が存在する。ばかかな。
さらに、強いカードのストッパーにもなる「1ターンに一度」という縛りがなぜか最初の効果にはついていない。ばかかな。
しかもこのカード、魔法やこのカード自身の効果でサーチできてしまうので、一度このカードをどけてもすぐにこのカードを出されてしまう。ああもうやだ。
さらに最後の効果も強力な効果のわりに発動の制約がガバガバだ、というかないに等しい。
というかこのカードをみてくれ。
失敬、間違えた
こいつはクシャトリラより前の発売だが、クシャトリラと同じ召喚条件、そして実質使い切りの破壊効果持ちだ。
一応ダイナレスラーというカテゴリには属しているが、このカテゴリはこいつ以外ナメクジである。
いやしかし、この強さでノーマルなのやばい。このカードは強さを認められ
制限カードに登りつめた。
クシャトリラはこいつが3体いる、というかこいつよりつよいのだから、飽きれてしまう。
さらにカテゴリ単位の問題で、遊戯王というゲームはエクストラデッキという、ざっくりいうと出すのに条件があるが、条件さえそろえばいつでも場に出せるカードを入れるデッキがあり、基本的に強力なカードを置かれているのだが、このカテゴリはそこにさえ、干渉できる。
あまつさえクシャトリラと名のつく罠カードは手札をみて除外できてしまうものがある。
さらにさらに相手の場を使えなくするモンスターもいやがるんだ!
どういうことかというとこいつらが干渉してくるのが、フィールドはもちろん、相手のリソースという根源的なところにまで広がっているということだ。
「出しても破壊すればいい」ではなく「出させなければいい」なのでカードゲームとしてはこれはもう破綻といって過言でない。
次にティアラメンツを。|
こいつも問題児。
メインデッキのティアラメンツは共通効果が一番最後の効果で、墓地に効果で送られると、墓地のこのカードと融合召喚に必要なモンスターと融合することができる。
融合で出てくるモンスターはどれも凶悪で、②の展開の最後にふさわしい制圧札を出すことができる。
この効果には問題点があって、デッキに戻すことで、リソースを補充することができてしまう。
最初の効果は自身を場に出したり墓地におくったりなどの展開補助の効果に、共通の3枚墓地にカードを送る効果を持つ。
この効果でティアラメンツが墓地に送られると、後半の効果が発動し、融合召喚が行えるというわけだ。ちなみにメインデッキに入るティアラメンツは4種類・・・のはず。
この後半の効果を発動させるために、イシズカードと呼ばれるカード群と共謀したデッキが大暴れした。
なぜか後攻のプレイヤーが先攻のプレイヤーが展開、制圧する前に展開してしまう、俗にいう「後攻0ターン目」が存在する。意味が分からん。
この融合体だっておかしい、というかこいつが一番おかしいんだよ!
最初の効果でカードサーチ、または融合が行えるし、真ん中の効果ならまだ出した時に発動する能力を使っていないカードとこのカードを入れ替えることができるし、真ん中の効果で墓地に送れば、墓地肥やしときたもんだ。
最初に挙げた①と③の能力、②の制圧能力はないけど、こいつ起点に出てくる奴が強いから問題なし、そもそも1枚で何アド稼ぐつもりだ。
こいつらの最大の問題点は、融合効果でデッキに戻すからリソースが全然減らないせいで、強い奴を除去しても次のターンにまた出されているだってリソース回収しながら展開するからだよ。
なんか強いカードだしたら手札やデッキそのもののリソースが減る、そんな当たり前の挙動をあざ笑うかのようなゾンビっぷりは旧来のデッキではとても太刀打ちできない。
遊戯王はありとあらゆる形でインフレしてきた、それは間違いない。そして数多のミスを犯してきた。征竜という反省すべきものも存在した。
それでも、同じ轍は二度と踏むことなんてなかったはずだ。
今何回踏んでんだよという感じだ。
征竜はカード単体のパワーはもちろん、リソースが本当に尽きないというヤバさがあって、十二獣はエクシーズ召喚のルールを破ったせいでどうしようもないし。
それでも反省するならまあ・・・と思わなくもないのに!
なんだよスプライトって!しれっとニビル対策してんじゃねーよ!(ギガンテックスプライト)お手軽に制圧すんじゃねーよ!
最近の遊戯王はアドバンテージの取り方が全部おかしい。旧来のデッキなんぞ、塵芥だ。
好きなデッキを擦っても、アドバンテージの概念が違いすぎてまるで勝てる気がしない。
地道に弓矢を作っていたら、バズーカを打ち込んでくるのが今の遊戯王だ、やってられるか。