皆さん、こんにちは。本日は、当カードゲーム初心者体験会にご参加いただき誠にありがとうございます。
世の中には様々な趣味がございます。
外に出る活動としましては、野山でキャンプ、美術館巡り、ツーリング、グルメなど。
家の中、という活動においては、盆栽、ボードゲーム、アクアリウム、将棋など。
ええ、本当に様々あるものでございます。
その中で皆さまがお選びになられました、このトレーディングカードゲームという遊び。
社会的カーストはギャンブル、風俗通いといったような錚々たる趣味と並び立つ、世界三大恥趣味の一つでもあります。
そのようなゲームをプレイする人間ときたら、それはもうすさまじい人間に相違ありません。
風呂に入るのがレベルの高い行為だと声高に叫び、ゲーム開始の宣言と共に威嚇音を鳴らし、社会のルールは何一つ守らないくせにゲームのルールは少しでも相違があれば鬼の首を取ったがごとく叫びまわります。もちろんマナーを守るなどもってのほかです。
おそらく皆さまもそのような素養があるのやもしれません、つまり我々の同類です。我々は来る者拒まず去る者追わず、あなた方のようなクズの到来を心よりお待ち申し上げておりました。
お待ちいただく間、当店をショーケースを眺めていたと思いますが、どうお感じに?
ふむ、一枚3000円なんて誰が買うんだ、圧倒的暴利じゃないかと。
とんでもないことでございます。その程度の値段のカードでしたら、カードゲーマーの皆様は喜んで買っていかれます。
このゲームのデッキに入れられるカードの枚数は四枚まで、その上限×3000で12000円程度、社会人なら缶ジュースを買うようなものでございます。
金銭感覚などという常識にとらわれているようではだめなのでございます。
いえ、あなたがそうおっしゃられる理由はわかります、たかが紙切れ1枚に3000円も出せるかと。カードゲームをやらない人というのはバカなのでものの価値がわからないのでございます。その3000円でいかに楽しい体験ができるかがわかっていないのです。
私事ですが、カードショップで「こんな高いの誰が買うんだ?」というよくわからない男の横で店員を呼び、そのカードを購入することを告げた時のその男の驚嘆した表情を見た時、私、とてつもないエクスタシーに身を焦がされたのです。
実に快感でした。
(その後そのカードを三枚そろえた私は3カ月後の制限改定で制限化、カード価格も3分の1に下落し絶望させられたのは別の話ですがね)
さて、クズの皆様、早速MTG体験会を始めさせていただきます。
まずはゲームの流れを説明いたします。
MTGにおいては、ターンはいくつかのフェイズに分けられ、その中でさらにステップで分類されます。
いくつか例に出すと、カードを引くステップ、カードを出すステップ、戦闘をするステップなどのおよそ想像しうる範囲のものもあれば、カードの能力処理があればそこで行うだけのステップ、ターンを終了させるためのステップのような感覚的でないステップがございます。
これらの事を正確に覚える必要などない、大体把握していればよいなどという世迷言を言う比較的良心的なカードゲーマーがいるかもしれません。
残念ながら、先ほども申した通り、ちょっとしたルールミスにガチギレするヤバイ奴が平然と存在するのがカードゲームでございます。そのような危険人物との不要なトラブル、いえそのような人物と少しでも関わってしまった時点でビッグトラブルではございますが、傷口を最小限で抑えるためにしっかりとルールを把握しましょう。
またフェイズの移行宣言ははっきりとしましょう。ボイスレコーダーで録音しながらのプレイを推奨します。言ったのにいってないとごねられるのを防ぐためですね。
別ゲーではございますが、フェイズ移行の宣言をしていない、する意志もないのにも関わらず、優先権を放棄しますか?という問いに、はいと答えてしまったがために、それ即ちフェイズの終了宣言なのだから戦闘フェイズは終了しているとごね散らかされたプレイヤーの話を聞いたことがございます。
次はカードの使用できるタイミングですが、見ればわかりますね次行きます。
戦闘について、ご説明いたします。
まずは戦闘開始ステップ、戦闘を開始することを宣言するだけの意味のないステップと見せかけ、戦闘前にクリーチャーを攻撃されたくないクリーチャーをタップさせるなどの姑息な作業をすることができます。このステップは特に重要で、例えばこのステップではなくメインフェイズ終了時にクリーチャーをタップして攻撃を防ぐという処理をした場合、優先権の都合上相手にメインフェイズを継続されてしまうのです。
なので、メインフェイズを継続されたくなければ、必ずこのステップに処理しましょう。
後のフェイズはやるが早し、早速カードをお渡しいたしますのでそちらで遊んでみましょう。
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さて、いかがだったでしょう。遊んでみた感想は?
なるほど、この白青のコントロールデッキが気に入ったと。とても陰キャらしくてよいと思います、そこの貴方は?
そうですか青黒ミッドレンジが。このカラーを好む人は子どもが大嫌いで大人げない陰キャが多いようですね。ちなみに白青は真面目系に思えるけど成績はよくない、スポーツもだめないわゆる無キャなようです。
ほう、そちらの方は白赤アグロが気に入ったと、ホモはせっかち。それで実際にデッキを組むなら白赤で組みたい、ほう。
では僭越ながらこの私がデッキ選びのコツをお教えいたしましょう。
まず皆さん、このゲームで勝ちたいでしょうか?
ああ大体全員手をあげてますね、そうですねゲームをするうえでは勝ちたい、その気持ちは察するに余りあるものでございます。
では次の質問です。あなたはどういった相手、人間に勝ちたいですか?
そこの方は、なるほど一緒にいらした方に勝ちたいと。なるほど。
そこの方は?ふむ質問の意図が解せないと。
要は大会などで遭遇する不特定多数相手か、よく見知った特定人物相手か?ということですね。
ん・・・どうやら多くの方が大会などにでて勝ちたいと思われているようで。
ありがとうございます、では皆さんが使うべきデッキをご紹介いたします。
それはtier1と呼ばれるデッキ群のいずれか、でございます。
tier1というのは言ってしまえばそのルールの中で最強クラスのデッキということです。
これさえこすっていればそれ以外のデッキには負けることは限りなく少なくすることができますし、プレイングの上手いプレイヤーにもデッキパワーの暴力で運が良ければ勝ててしまえます。
このゲームにおいて、デッキパワーというのは最強でございます。
数多くのカードゲームが奥深い戦術、となど謳っておりますがそんなものはまやかしにすぎません。
多くの場合デッキパワーの多寡が勝敗を決めるといって差し支えありません。
カードゲームの勝敗を左右するものがプレイングなどと抜かす、自分がやっているゲームはとても高尚なものだと思い込みたいナルシストの意見など無視しましょう。下賤な人間がやってるものはどうあがいても下賤です。
カードゲームの勝敗はデッキセレクトの時点で7割は決まってます。
残りの2割がtier1デッキ内の相性による運、1割がプレイングといったところでしょう。プレイングではゲームの勝敗をほとんど覆すことはできないでしょう、このような微小なものを鍛えるのならば、審判を買収したほうが早いです。
オリジナルデッキが組みたい?なるほど、それで勝てたら最高じゃないか、と。
素晴らしい。パチパチ その美しい精神が穢れていくのを我々は最高の嗜好品としております。どうか気高くあっていただきたく存じます。
もちろん当店ではそのような方向けのカードも販売しております。どんなクソカードでも取り扱いしておりますのでどうぞ我々の良い養分であってほしいところでございます。
そちらの方は友人と遊ぶだけだからそんなに強くなくてもと?
「ご友人、気が付いたらあなたに無断でtier1デッキこすりだしますよ」ボソッ
「ええ、人間というのは変わらずにはいられないのです、勝ちたい勝ちたいという情念が、少しづつ精神をゆがめていくのです。ほらあなただって勝ちたいでしょう?」ボソッ
さて、そろそろ散会といたしましょう。あ、そうそうtier1デッキというのは日々うつろうものでございます。常にアップデートされているので、カードがご入用の時はぜひ当店を。毎月25日はポイント二倍でございます。通販も行っておりますので・・・
皆様のまたのご来店を心よりお待ちしてます。