新食魂島

王様は裸です、と叫びたい夜。

2023年度共通テスト英語は何を問いたいのか

まずは予備知識なしに解いた感想を言おう。

 

はじめしゃちょーと同じ点数だった(白目

 

いやそんなことはどうでもいいのだが、・・・すまない正直はじめしゃちょーを舐め切っていたので本当はショックなんだ。

 

まあしかし、今年の問題に関しては

 

・「量がえぐい」(センター時代の1.8倍だそうだ。これは序盤の文法問題が短文の       

         読み取りに代わっているのでその量もあるあろうが、これはヤバ 

         イ)

 

の一点に尽きるだろう。事実、ややこしい文法があった、とか、意味の分からない単語があった、という話は聞かないし、解いたうえでもそういうものはなかった。

 

私の意見を言わせてもらうのなら、今回のテストを作ったやつは解く人間の英語における言語処理能力が、ネイティブと同様にできると勘違いしているとしか思えない。

そもそも我々日本語を母語とする人間は、当たり前だが日本語で思考をする。つまり英語を聞いただけでは表層的な処理はできても、深い意味合い、共通テストで言うなら国語的読み取りをするのは不可能だ。

 

よく言われる「英語は英語で聞いて英語で処理するべき」というのがあるが、思考の言語が日本語である以上、実質的に不可能なものだ。可能だったとしてそれは相当レベルの高い、およそ出願大学の振り分けに使う程度のテストには不釣り合いな要求レベルと言える。

 

最近の共通テストの英語では、文を読んだだけではわからない、言葉のその先の読み取りを課す問題が出ているが、それを説く事そのもの自体も面倒なのに、時間の制約もあると考えると冷静になど文章を読めるはずもなく、ただストレスフルなだけだろう。

 

はじめしゃちょーは学生の当時、英語を専攻していて英語教諭の免許も持っているし(だとするともっと点数とれていろよと思うのは別の話)

私自体も病で集中力が欠けるのもあるし、現役を離れているのもあるが、英文を読むのが相当に速い方だと自負しているが

 

それをもってしてすら時間が足りない、はじめしゃちょーは最後の長文に間に合わず、私は最後の2問だけ勘で回答したくらいで、一般の受験者がとても太刀打ちできるとは思えない。

今回得点調整はないようだが、今まである程度英語で稼げた層が、10点以上落とす羽目になったのは英語が得意(私はそういう人間は普段アホ扱いしているが)で英語で点数を稼ぎたい人には気の毒である。

 

前文はここまで。主題に入ろう。

 

テストは意図をもって行われる。共通テストは国公立大の1次持ち点となるので、それぞれを実力通りの大学に割り振る必要があるし、国の事業として文部科学省が定めるところの教育目標の確認にならなければならない。

 

(現行の学習指導要領)

○ 小・中・高等学校を通じて、言語や文化に対する理解を深め、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り、聞くこと、話すこと、読むこと、書くことなどのコミュニケーション能力を養成することをねらいとしている。

  • 平成23年度より小学校5,6年生において、コミュニケーションの能力の素地の育成をねらいとして、外国語活動を週1コマ実施すること
  • 中学校では週3コマから週4コマ(約3割増:105時間⇒140時間)へ充実し言語活動を各領域で1項目追加するなど充実を図るとともに、従来の「聞く」「話す」を重視した指導から4技能のバランスが取れた指導への改善を図り、教材の題材には伝統文化、自然科学などを取り上げること

○ 英語教育においては、このような背景を踏まえ取組が進められてきたが、多文化・多言語、多民族の人々の交流や、競合と協調が求められるグローバル社会の中では、自立した人間として、他者と協働しながら、課題を解決する能力や情報を活用する能力などを更に重視することが必要である。

○ また、前述のような課題が指摘される現状を踏まえ、コミュニケーション能力の育成を意識した効果的な教育が行われるようにする。このため、これまでの英語教育の成果・課題や、英語を外国語として学ぶ諸国における取組状況とその背景などを改めて踏まえた目標・内容などの改善・充実が必要である。

○ このような観点から、更なる英語教育の充実を図るため、小学校中学年における外国語活動の導入、高学年における教科化としての制度上の位置づけや、中・高等学校における言語活動の高度化に向けた検討を、より専門的な視点から行い、学習指導要領の改訂に向けた検討に生かすことが必要である。

○ その際、英語教育を通じて育成すべき資質・能力とともに、これらを育成するために必要な小・中・高等学校を通じた一貫した目標・内容と学習評価の在り方について一体的に見直しを行うことも検討する必要がある。その際に、英語を用いて何ができるようになるかという観点から、より構造的で明確なものとし、効果的なコミュニケーション能力の育成を意識した取組を促進することが必要である(※6)。

 

【資料2-1】小・中・高等学校を通じた英語教育の目標等の方向性(検討のための資料

 

まずは、聞く話すといった能力の充実ではあるが、これは共通テストでは会話文から読み取る問題程度しか問えないだろう。

とにもかくにも、コミュケーションとバカの一つ覚えしていると思っていただければ問題ない。

正直私は、英語を学ぶ上で一番力を入れるべきは文法だと思っているので、共通テストから、文法や発音の問題がなくなったのは問題だと思っている。

そもそも大体の人間はコミュケーション的に英語を使うどころの騒ぎではない。この世の7割は中学程度の英語すら満足に理解できてないし、中学程度の英語ができないということはそもそも簡単な文すら組み立てられないということだ。

 

今回の共通テストはとにかく量が多いが、これはおそらく英語をコミュニケーションツールと考えコミュニケーションの実現を英語科の目標にしているのだから、英語を日本語と同等といかないまでも高いレベルで処理できるようになっている、すなわち国語レベルの語彙量で処理してくださいということなのだろか。

 

私には、今回の問題は、自分は英語ができる頭のいいだけの人が、御大層な目標を掲げて問題を作成したが、そこまで到達できるほど教育ができてないし、そもそも無理な目標であるのに気が付いてなかったとしか思えない。

端的に申せば、

 

うわ、意識たかーい()