2022年、ポケモン界は伝説ポケモンの炎だったり水流だったりに包まれた!
脆弱な一般ポケモンは一部の特権階級のみが生き残ることができる、伝説ポケモンのいカレた性能の前にはその他大勢など塵芥である。なんだポケモンって現実だったんだ!!
先にポケモンにおけるレーティングバトルのレギュレーションに触れる。
このゲーム、ポケットモンスター剣盾ではランクバトルがあり、一か月に一度、ランキングのシャッフルが行われる。この期間をシーズンと呼ぶ。
そして1つの大きなレギュレーションのくくりをシリーズと呼ぶ。
発売から9カ月の間は、剣盾内部で捕獲できるポケモンのみで、それからポケモンHOMEから連れてきたポケモンの条件付き参戦、ヨロイ図鑑のモンスターの追加があり。
そして発売から1年3カ月、伝説のポケモンを1体使用可能なシリーズが3カ月の間行われた。
禁止伝説というポケモンはそういった機会がなければ使うことができないので私もここぞとばかりにいろいろな伝説をいじくり倒した。
むろん、ゲームバランスがよかったとはいえないのだが、それでもおおむね満足したままこのシリーズは終了した。
その後、伝説を使用しないシーズンがはじまり、発売から2年後の昨年11月、ふたたび伝説1体のみ使用可能なシーズンになる。
ここまではいい。
だが終了後の2月からのシリーズでは、運営様は伝説2体まで使用可能とのレギュレーションを発表なされた。FUCK。
ああそれでも3カ月ならまあいいかと思っていた。発表された期間は半年だった。
・・・言いたいことは分かる。世界大会が8月開催の都合上、そこまで伸ばしたいのはわかる。しかし長すぎやしないか。
質の悪いことに伝説戦ってダブルバトルの話でしょ、とはならずシングルバトルでも伝説が二体使用可能だ。ばかなのか?
シングルバトルは6体から3体を選出し、1対1の対戦をする。伝説ポケモンはその名にたがわず強力なので、有無を言わさず選出枠が2体うまる。
どっちかしか出さないときもあるだろうが、そうなるのならもうパーティの欠陥といっても問題ないだろう。
つまりだ、私のようにいろいろ遊びたい人間は、伝説の選出を強制される。さもなくば伝説の圧倒的スペックに膝をつくしかない。
結局、恐ろしく閉塞感のあるゲームになっている。全然遊べない。私はゲームでは遊びたいけど負けたいわけではない、しかも毎度同じようなパターンで殺されるのでもうそれはもう。
何、ワンパに殺される方が悪い?ワンパで勝てるポケモンの方が悪いよ。
さて、この2体がこのゲームをクソにしているので紹介する。
左がザシアン、右がカイオーガだ。
まずザシアンについて。
こいつのタイプは鋼・フェアリーという極めて優秀なタイプである。つよい。
耐性は11個、弱点は炎と地面のたった二つ、地面技は火力のある技は癖が強く、安定した技だといささか物足りないので、本当にスキがない。
専用技は、きょじゅうざん。鋼タイプの技で威力100命中100(つよい)剣盾の特徴であるダイマックスしたポケモンには威力が2倍になる。BW時代に最強の座をほしいままにしていたメタグロスのメインウェポンである、コメットパンチは威力100命中85という不安定さを持っていたがこの技一つでメタグロスは最強だった。
それよりもつよい。つよい。
特性は攻撃が場に出た瞬間1段階あがる、ふとうのけん。伝説専用の特性とはいえ出すだけで無条件攻撃上昇はつよい。つよい。
同型のザマゼンダは防御のみ上昇するので、特殊技に対して脆弱性をみせるが、ザシアンはスキがない。
そして、攻撃能力は種族値170!攻撃力が200あれば強い(種族値に変換すると130)このゲームでは破格の性能だ。
このポケモンはザシアンと同じ鋼フェアリータイプ、メガシンカにより特性が力もちに変化することによる超火力という共通点を持っている。
実際ちからもちは技の火力を2倍にするのだが、面倒なので攻撃力を2倍にして考える。
ザシアンの攻撃力の最大値は244(種170)、メガクチートは172(種105)
ザシアンはここに特性で1.5倍の補正がはいり366、クチートは2倍で346。この時点でザシアンが圧勝だ。
さらに技も違う、鋼技の威力は20差、フェアリーは共通で、ザシアンはここに電気技、インファイトを持っている。一方のクチートは威力で劣る炎の牙、使い勝手の悪い格闘技しかない。せいぜい岩技が使える程度だ。
そしてザシアンに4カ所くらいある最大の問題、素早さが高すぎるということだ。
クチートは火力だけ見れば圧倒的であっても素早さが中途半端なため、クチートを活かすためには工夫が必要だった。
ザシアンには必要ない。せいぜい追い風対策をすればいいだけだ。
さらに、こいつは耐久も高い。
なんで?
なんでメガクチートより火力があって、火力が出せて、耐久が高くて、素早いのか意味が分からない。
いや無理だろこんなの対応しろとか。
バカ火力のポケモンは倒される前に倒せがセオリーだが、圧倒的に早すぎるこいつを抜き去るのは無理だ。そういったピンポイントメタはバレバレなので速攻交代されるだけだ。
実際のところの火力はというと、手助け込みきょじゅうざんで、ダイマックスしたリザードンが確殺される。ボルトロスも無理。
ダイマックスというシステムはHPが二倍になるが、きょじゅうざんもダイマックス相手には威力が2倍になるので、結局素のリザードンでは手助けを入れられると半減にも関わらずぶち殺される。
ということは鋼を半減できないポケモンであるなら、アタッカーなら即死、受けよりでも受けられない。半減でも2発圏内に入れられるから交代出しができない。
そのとんでもなく高い火力をとんでもなく高い素早さでこちらの上を取って殴ってくる。
素早さが半端だから許されていたメガクチートに素早さとさらなる火力与えればそりゃ壊れるわよ貴方。
次はカイオーガである。こいつも同じだ。
火力がおかしい。特性による雨で水技火力1.5倍、MAXしおふきの超火力、特攻種族値150。相手は死ぬ。
シングルバトルにおけるこいつは圧倒的だが圧倒的じゃない。ザシアンと違って交代から受けられるポケモンは多いし、そこまで早いポケモン出ないので上を取ってしおふきの火力を減らせばいい。
こいつがいやらしいのはダブルバトルで、素早さ操作や火力操作が絡んだ時だ。
ダブルバトルでは潮吹きは相手二体にあたるので、シングルよりも制圧力が上がる。だからこそ上から潮吹きを撃つために、素早さ操作の出来るレジエレキやエルフーンでサポートすることで潮吹きを撃つ機械になれるのだ。
こちらの対策は、ゴリランダーのグラススライダーで上からしばく、レジエレキ、エルフーンで素早さマウント合戦に応じるくらいだ。つまりそうやって突き詰めていくと同型ミラーが最適解となっていく。
カイオーガ自体は封じ込みがしやすいのだが、横との連携でいくらでも化けてくるので本当にめんどくさい。そしてその連携の相手も決まりきっているからさらにおもしろくない。
最近のポケモンは本当につまらない。何をどう工夫しても、ザシアンの暴力、完成されたパーティ(のコピペ)に勝てない。何よりこいつらのせいで使えるポケモンが限られすぎているのがもうつまらない。
伝説の暴力的性能のせいでふざけられないのもつまらない。
こんなのただの理不尽だよ。