DVDがレンタルになったので、借りてきました
本当は見に行きたかったのだが、あのうさんくさい西野に金が入るかと思うと、とても嫌な気持ちになったので断念。
嘘です、見に行く金がありませんでした。
まずこの作品を見るうえでは、多少のご都合主義には目をつむるべきでしょう。
10代以上も前のえんとつ町が恣意的に閉ざされた町であるという秘密を守るため、その秘密を暴きかねない危険思想を取り締まる異端審問会とかいうヤバすぎる連中に、その秘密を知らせるとどこかで漏洩する可能性があるし、知らないでやるとしたら町人への高圧的な態度が説明がつかないで矛盾しそうだ、とか
ラストの場面、絶対船も巻き込まれる規模の爆発だよね、とか
異様に説明口調で全部設定喋ってくれるよね、とか
気にしてはならない。
でも挿入歌もEDもクソダサくてわざとらしいっていうのは気にしていいと思う。
論点を絞るために、タイトルのとおり、ファンタジーかリアルか?ということを書こうと思う。
まず主人公は・・・えーと・・・
名前忘れました、ルッコラ君みたいな名前なのでルッコラとしましょう。
例えば、タイトルのプペルというのは偶発的に誕生した、ゴミ、金属のガラクタで体が構成されたゴミ人間であるが、彼の存在はファンタジーそのものだろう。少なくとも作中でもファンタジーとして扱われている。
彼にはおそらく隕石と思われる心臓、ルッコラ君がなくしたブレスレットが脳として埋め込まれている。
このブレスレットが脳であることを示すシーンは非常に流れがいい加減でまるで設定資料をしゃべっているようだったことはご留意いただきたい。
さて舞台であるえんとつ町は、リアルよりである。町の作りは非常にファンタジー的ではあるのだが、文字に漢字が使われていて、それが我々を思いっきり現実に引き戻してくれるのだ。
つまり舞台はおとぎの国ではなく、我々の世界と陸続きのリアルな世界であることを示してくれる。高いところから落ちれば死ぬし、水にぬれたまま放置すれば匂う。
しかしこの映画の中には、現実的な世界のはずなのにものすごくファンタジーくさいシーンが3つもある。
1つは最初のトロッコのシーンだ、ギャグのように配置されたトロッコがピタゴラスイッチして、イカれた敷き方をしたレールの上を大滑走していく。
2つめは、煙突管理で皆の中心的存在となっている男、ダンが異端審問者に吹き矢で狙われ煙突から転落するシーンだ、このシーンはものすごく高いところから落ちてきたのに、おっさんの腹クッションで衝撃を和らげている、いや無理だろ。
3つめはクライマックスシーン、上空の激しい風にルッコラ君が投げ出されるも、なぜかロープが切れず、飛行する船に戻ってくるシーン、えぇ・・・
これらの何が悪いかというと、作中の世界、映像づくりとマッチングしていない。ディズニーのそういったシーンはディズニーのあのキャラクターデザイン、世界作りだからこそ成り立つのであって、そうでなければピタゴラスイッチの世界にリアリティなど感じるのは無理だ。
作中の敵役?である異端審問会にも無理がある。
危険思想の取り締まりとはいうが、そもそも危険思想をする奴がルーベラ君の父親ローマンくらいしかいなかったのだ。
つまり何を取り締まる必要があるんですか?となる。
敵の存在に無理がある、つまり敵の存在意義が危ぶまれることは作品の崩壊に等しい。
一番の違和感は、挿入歌である。
ダサいとかそういう以前に、それが流れている間の演出もかしいのだが、その演出とも全然マッチングしていないため、なにか奇妙である。
ここまで酷評だが、良い点を挙げると、はしごを登るときに下をみてしまうが故に高さの恐怖心に怯えていたルバーブ君が、しっかりと上を向き高いところへ登っていくクライマックスシーンはよかった。これも上を向いて歩こう的なメッセージなのだが、それを行動によって示したのは正直に言い展開だと思う。
総評:母が先に見た感想「普通」ぼく「微妙」