新食魂島

王様は裸です、と叫びたい夜。

あなたの好きな肉って何の肉?

皆さん、お肉は好きであろうか?

私は好きである。

魚か肉かどちらか選べるとなったら肉を選ぶ。なぜか私の中では魚を選ばないと何かお子様じみていると思ってしまうのだが、それでも肉を選ぶ。

別に、中学生くらいの頃、家族で郡上八幡に旅行に行った際、飛騨牛か鮎を選べと言われて親父と仲良く鮎を選んだ結果、普段親父が釣ってきていた鮎よりもショボい鮎が来て、二人して肉にすりゃよかったと肉を選んだ母と姉を見ていたのがあまりに悲しい思い出だから、とかそういうわけではない。そういうわけではない。

 

まあそれはおいといて、皆さんは何の肉が好きだろうか?

牛、豚、鶏から、鹿、猪、兎、中国では犬、カエル、東南アジアでは蛇などまあいろいろあるが・・・

私は断然馬肉である。

生で食べて良し(一度冷凍しなければならないから完全に生ではないとかいわない)、甘辛く炒めて良し、煮込んで出汁をとって良し、どこをとってもスキがない。

生で食べると、口中に甘い香りがし鼻を通り抜け、嫌味のない味で日本酒との相性が最高だし(きまぐれでワインと試してみたがゴミだった)、火を通してうどんの具材にすると、肉の感覚と甘みが食欲をそそる。

 

余談だが、このうどんについては、上田駅前にある中村屋

中村屋 - 上田/うどん [食べログ]

へ信州へ来た折には寄ってほしい。現在の日本のうどん文化ときたら讃岐うどん讃岐うどん讃岐うどんっといった体たらくで、まあ讃岐うどんオンリーな感じがする。

大体お前、何をもって讃岐うどんといってるのだね。讃岐うどんの定義ってなんだね、私は数学科の人間だ定義にはうるさいぞさあ説明してみ給え。

・・・余談の余談をしてしまった。とにもかくにもこの中村屋の肉うどんというのは上田在住の人間ならだれでも知っているものだし、どこそこの何ちゃらうどん、というものを超越した、お家のうどんそのものだ。コシがどうのこうのなどと抜かすならグンマーにでも行って水沢うどんでも食べてくるといい。私は知らん。

 

閑話休題

とにもかくにも馬肉というのは脂肪分が少なく、馬の体温が高く寄生虫が付かないという理由で生で食べるのが至上だろう。

私が馬肉を好むのは、やはりは「肉のうまみを楽しめる」という点に尽きるだろう。

そういった意味で、霜降りの牛肉というのはうまいにはうまいが、がそれはどちらかと言えば脂のうまみの要素が強く、また食事が進むにつれ香りがくどく感じるのでそこまで好きではない。

 

またこれも余談だが、伊勢へ家族旅行に行った時の話である。

帰る前に予約しておいた店で松坂牛のステーキ(一人前6000円)を食べたのだが、それはなんともまあうまかった。ちゃんと肉としてのうまみを感じるし、脂の香りも素晴らしい。A4ランクだとか言っていたが、そりゃこれは高いですよ、と満足するに足るお味だった。親父も母もそりゃもう夢中になって食べていた。

お会計で若干親父殿が青い顔をしてたかもしれないが、この2時間後、辰野SAを過ぎたころ、両親の表情はそれ以上に青くなっていた。

母上殿がおなかが痛いといいだし(最もそりゃあんた朝ごはんからあんなにがっついてたらそりゃそうよと思っていたのだが)、岡谷のインターにつく前には親父殿がヘド付きながら車のハンドルを握っていた。

実は伊勢神宮へお参りした後、普段お世話になっている塾の先生方へのお土産を探しに参道へ出向いていたのだが、その間にうちのご立派なご両親殿は私に内緒で、参道のスムージー屋さんでご一服なされていたそうだ。

今思えばあのスムージー屋ちゃんと洗ってなかったな、とは本人たちの弁・・・便でもいいような気がするが。

ただそれ以上に青い顔になっていたのは私の方だろう。ゲロ吐きながらも高速を運転する親父殿のハンドルに戦々恐々としていたし(後ろで運転していた人はブチギレ不可避だろう)、母上殿は後部座席でグロッキーでそれどころではない。

もういいから俺が運転するから、と言っても聞く耳を持たない父。おのれ、そんなに俺にアウディを運転させたくないか。

お前が運転してこの車スクラップにするくらいなら自分で運転して事故ったほうがまし、とでも言いたげな親父殿。新和田トンネルに入っても吐瀉物をまき散らし続ける。

母上殿は後部座席で三方ヶ原の徳川家康殿となっている。

かくいう私はといえば、飲むべき薬を持ってくるのを忘れて断薬症状を起こしていたのもあるが、スムージーなど飲んでいないのだから食中毒を起こす要素などないのに、その光景のせいで吐き気がしてしまった。

結局、次第に回復した父が普通に運転できるようになり(それでも途中で吐いていたが)、道すがらの病院に駆け込み(なおこれは私が進言しなければそのまま家に帰っていたと思われる)後部座席の東照宮の大権現様を緊急でねじ込み、家の近所にある叔母の家に預けていたうちのワンワンを回収しに行った。

その後、回復したどこかの知らないおばさんを引き取りに1時間ほどかけて私が引き取りに行ったものである。

 

といったわけで、私の美味い牛肉の記憶というのはこれに紐づけられているせいかあまりいい記憶ではないのである。

 

さて馬肉のような脂よりも肉のうまみを愛する私は、鶏肉も好きである。

特に焼きトリは大好物だ。

昔、父が付き合いの一杯で酒を飲んでくるたびに、どこの店に行ったかを確認していた。もちろんお土産が目当てだ。

〇〇、そこはお土産買ってこないところじゃん帰ってくるな。

××、そこのおこわ好きだけどそこじゃない、まあ気をつけて帰ってきてくれ。

△△、そこだ焼きトリ買ってきてくれ、買わないなら帰ってくるな。

といった感じだ。

上田というと、ニンニクを効かせた美味だれが有名らしいが、実際そういった名称では我々は呼ばない。そのニンニクをガンギメたタレがデフォルトでそれ以外の甘いタレを扱っているところはないのではないだろうか。あまりにデフォルトすぎて気にかけたことがないのだ。余所でタレの焼きトリを食べると、これなんか違うな感はあるのだが・・・

父が行くその店は、小さいころは辛くて食べられないほどガーリックガンギメ系のタレで、そりゃまあビールが進みますよなという話である。

ビールに合うおつまみは焼きトリ、これ常識、いいね?

 

しかし炭火で焼いた鶏肉というのはどうしてあんなにいいにおいがするのだろうか、もし私が明日死ぬとして何が食べたいかと問われたら真っ先に焼きトリと答えるだろう。

余談、をすると余談が多すぎるのでこの「明日死ぬなら何が食べたい」というのは別の記事にしよう。

とにもかくにも、焼きトリは最強、焼きトリさえあれば私はどこまでも戦えるのである。

普段食いは鶏肉、馬肉は贅沢用といったところだろう。

他にはカモ肉が好きなのだが・・・これは調理が難しいのか下手にやると臭くて適わない。とはいえその香りは他にかえがたい魅力を持っているのも確かだ。

実は金沢に行ったときに治部煮を食べたがなんか微妙だった。いやその時は私が腹を壊していて・・・ああ、なんだよこのうんこファミリーとは思わないでいただきたい。

 

私の肉の話は以上だ。皆さんの好きな肉、食べ方があらばぜひコメントしていただきたい。