鳥取で、万引きを理由に自主退学をさせられたことは不当、として当時の校長を訴えた、という事件?が紙面をにぎわせている。
ニュース記事の反応は
「万引きは重大な犯罪だ」
「学校長は謝罪も賠償の必要もない」
などという意見が大多数だ。
ニュース原文からもってくると
>原告側は、万引きは重大犯罪ではないのに、退学処分相当だと誤って信じさせられたと主張していた。
とあるが、これは読売側がニュース記事を簡潔にまとめるための作文と考えるのが妥当だし
今、日本ないし世界でなされている様々な犯罪と万引き、窃盗を比較すれば万引きが重大犯罪ではないと言っても差し支えないはずだ。
さて、今回の場合、複数回の万引きという行為に対し、自主退学をしないなら退学処分にするという通告をうけた原告が自主退学を選んだが、という話だが、履歴書に記載する際に、自主退学なら自己理由による「中退」、退学処分なら懲戒処分による「退学」と記載する必要がある。
そしてその履歴書をみる人間は「中退」と「退学」の違いについては理解しているはずなので、結果がどうなるかは火を見るより明らかだろう。まあ中退でも理由は聞かれるだろうが、それでも受ける印象は大違いだと思う。
学校教育法26条において
https://legalus.jp/laws/S22F03501000011/law_articles/0026000000
という条文があるが、今回の場合、一の性行不良が主だった退学通告の理由になるだろう、もちろん四の学校の秩序も考えられるが・・・
今回の案件では、複数回の万引きとあるが、まあそうだろう。一度万引きをしたら捕まるまでは万引きを続けると考えるのが自然だ。赤信号は一度わたってしまおうが百回わたろうがアウトな行為なのだからそのスリルが楽しいとなればそりゃ何度だってそうする。
問題は、事の重大さではない。殺人だろうが窃盗だろうが、その罪は刑事罰によるもののみであり、それはそれで本件とは別問題なのだ。
真の問題は、この生徒が真に改善の見込みがないかどうかということだ。
御世間様はこの元生徒はクソ犯罪者だ、甘ったれるなふざけるなとお怒りだ。
こういった世間の風当たりが日本における再犯率を高めてくださっているのだ。
クソ犯罪者様には人権など必要ない、と言わんばかりで、なんとも一度レールから外れた人間には冷淡な日本人様らしい。そんな彼らが私は大好きだが。
この事件は、原告「本件で退学処分は不当だった」→学校「そうだね、改善の見込みを信じるべきだったねごめんね」
というだけの話だ。
そして日本人の寛容のなさがにじみ出たものともいえる。本人たちは私たちが正義で正しいことをしている、この国は正しい国だと思っているが、その実、ただ異物を排除しているだけである。
古来の日本人は、海外からの文化を寛容に受け止めたと思われていそうだが、私が思うに、伝わってきたものを異物を排除しない寛大な人間が日本人になじむように間に入って、右に倣えが大好きな日本人に「みんながそうしてますよ」と売り込みでもしたんだろう。
日本人は基本的に狭量だという事実をよくかみしめて日々行動したいものである。